シソ科の常緑低木。葉は細く、春から夏にかけて淡紫色の小さなな花が咲く。代表的な芳香性植物で、全体に香りがあり、昔から薬用、香料、香辛料などとして使われている。シェイクスピアの時代には大変人気のあるハーブであった。栽培は容易で、強健。ローズマリーという名称は、「海のしずく」というラテン語の属名からきている。日本へは文政元年(1818)に渡来した。
はい、ローズマリーよ、思い出のしるし――ねえ、お願い、愛しい人、忘れないで。
There's rosemary, that's for remembrance; pray you, love, remember.
オフィーリア狂乱の場。記憶を失ったオフィーリアが、恋人と実兄の見わけもつかぬまま、実兄に渡すのがローズマリーの一枝なのである。人違いで父を殺したハムレットに対する恋慕の情がローズマリーに託されている。